ボートゲーム in 南伊勢

伊勢志摩国立公園の南の端 南伊勢町は阿曽浦沖をメインフィールドとしたマイボートによるルアーフィッシングのブログです。

シーボーグ200J分解修理

1月28日(日)

土曜日は日中仕事、夜は飲み会が有って志摩のホテルでお泊まり、翌日は鳥羽へ寄って牡蠣を買って
帰って来いというお代官様の指示も有り、この日は出船をあきらめインドアでかねてから計画してた
シーボーグ200J-DH-Lを分解してメンテナンスを行うことにしました。

参考にするのにネットで分解方法を解説してるサイトを検索しましたが見つからず、なんとか自力で解決
出来ましたので役に立てばと手順など説明します。

先ず、今回分解に至った経緯ですが、使用開始後3カ月後ぐらいから塩噛みの症状が現れ、現在で
購入後11カ月ぐらいの間に2回修理に出しましたが、その時は一旦直ってもすぐまた症状が現れ、
もう釣具屋にあれこれ説明して修理に出すのも嫌になったので、未だ保証期間中ですがパーツを
取り寄せて自分でやってみることにした次第です。

当然ですが、釣行後は毎回しつこいぐらい水洗いして塩抜きしてるつもりですが、症状が現れて以降は
まったくもって効果が無く、リールが乾燥すると同時に塩噛み症状が発生します。
ネット上でも同じ症状で怒ってる投稿が散見されましたので、これはもうこのリールを買ってしまった人は
分解スキルを習得するか、大枚はたいて修理に出すかしか方法がないということですね。 

ねぇ、ダイワさん?


さて、前置き長くなりましたが、分解に入ります。

イメージ 1

これが分解前の対象リールです、一般の工具の他、特殊工具として柄の長い0番のプラスドライバーが
必要になりますので一緒に写真撮りました。(これが無いとハンドルと反対側のカバーが開けられない)

それと、先ず分解する前にネットで検索してリールの展開図とパーツリストを用意しておいて下さい。
入手先はスポーツライフプラネットというおそらくダイワの修理を請け負っている会社のサイトだと思います。
リンク張っておきます⇒http://www.sl-planets.co.jp/shop/c/

順番としては分解して、ダメになったパーツを選定して、釣具屋さんに行って注文(この時必ずパーツ
リストから部品コードを控えて行って下さい)、パーツが届いたら新しい部品と交換し組立になると思いま
が、出来れば傷んでない部品もこの機に塩を含んだグリスを拭き取って、パーツクリーナーで洗浄、再度
グリスアップして戻すようにすると、次壊れるまでの時間を伸ばすことが出来ると思います。

1、工具・副資材など

  特に変わった道具は必要ありませんが

   ・ドライバー類各種(スプールを外したい場合は軸の長い0番のプラスが必要)
   ・ピンセット
   ・ラジオペンチ(スプリングの取付・取り外し用)
   ・三角綿棒(清掃用)
   ・パーツ保管用の仕切りの多いケース(小さい部品の区別と紛失防止)
   ・キッチンペーパー(油だらけになるので作業エリアに敷く)
   ・ウエス
   ・パーツクリーナー
   ・グリス+オイル
  
  ぐらい揃えておくと問題無いかと・・・

2、分解作業

イメージ 2

 
 ハンドル側のカバーを開くため、先ずはハンドル周りをバラシていきます。
  順番は
   ・ハンドルゆるみ止めの固定用ビス外し
   ・ゆるみ止め外し
   ・ハンドル固定用ナット外し(これはゆるみ防止のため逆ネジになっているので注意)
    ※逆ネジは左ハンドルだけでした(20180417追記)
   ・ハンドルとワッシャー類取り外し、順番と方向をメモしておくとベター

  ※小さいパーツは仕切りの沢山ついたケースを用意して、部位ごとにまとめておくと後で混乱しなく
    て済みます。

  ハンドルが外れたらカバー固定用のビス×3本を外します。
  ①は少し長い、②と③は同じ長さだが、②にはワッシャーを噛ましてある。間違えて③のビスで②の場所を
  締めるとスプールに傷がつくので注意

イメージ 3

















 
  カバーを開けるとこんな感じ、一般のリールならこの状態で色々メンテ出来ますが、このリールの核心部は
  もう一層内側なのでさらに分解していきますが、その前にひっくり返すと脱落してしまうパーツを先に外して
  しまいます。(無くすと悲劇、前回の分解で私はラインストッパーを無くしました)

イメージ 4



















  →のパーツが簡単に落ちてしまうもの
 
  ・クラッチボタン
  ・スプリング類(3種4本)
  ・ラインストッパー
  ・逆転防止用のストッパー


 次に内側のギヤケースを開けるため、ドラグプレート部分を抜きます。
 その後、ハンドルシャフトにはめ込まれているOリング2本を抜いて、逆転防止用のギヤを外します。

イメージ 5

















  
  逆転防止用ギヤを抜いた状態。

  次に→のハンドルシャフトを固定している金具のビス×2本を外すと内側のギヤケースが外せる状態と
  なります。
  ゆっくりこじりながら開けますが、固い場合はベアリングが本体シャーシに固着してると思われますので、
  無理をせず固着している部分をなんらかの方法で剥離して外してください。
  私が最初分解した際はスプール側のベアリングがシャーシに固着していたので、反対側のケースを
  外し、スプールを抜いて、その穴から木の棒を突っ込んで、それをハンマーで軽くたたいて抜きました。

イメージ 6



















     内側のギヤケースを外したところ

イメージ 7

















    内側のギヤケール内には歯車が3個取り付けられています、③が手巻きとモーター巻きの動力元を
  切り替えるのと同時に大きなトルクを得るため流星ギヤ2組で大きなギヤを回す構造になっており、
  いわばこのリールの心臓部になる部分だと思います。
  この部分には大型ギヤの両側に大型のベアリング2個が使われておりますが、片方は塩噛みでゴリゴリ、
  もう一方は固着して回らない状態でした。(何故か展開図にはこのベアリングが片側だけしか書かれて
  いません、おそらく記載ミスだと思いますが・・・)
  あと、内側の流星ギヤを支えるのにもう1個、これはCRBBだと思いますが、側壁が摩耗で破壊されて
  いてボロボロになってましたので、合計3個とも全交換。

  真ん中②の少し小さいギヤは中継ギヤで、先ほどの動力ギヤの力をスプール回転用ギヤに伝達する
  役割だと思います。
  これにも中小2個のベアリングが使われておりますが、小さい方は問題ないようなので、ちょっとゴリ感
  のあった中型のベアリング1個のみ交換。

  最後①スプール回転用のギヤは大型ベアリング1個で、これも塩噛みでガタガタなので交換、全部で
  このギヤケースだけで5個のベアリングを交換したことになります。


イメージ 8













  あと、今回は塩噛みしたベアリングの交換以外にもう1点修理した部分が有ります。

  これは私の使い方にも問題が有ると思いますが、フォールでアタリが有った際サミングしてる親指で
  スプールを押さえ糸の出を止めて掛けに行くのですが、 シーボーグはジョグダイヤルの取付位置の
  関係でスプールを押さえることが出来る面積が狭く、おのずと親指の位置が一般のリールに比べ
  後方になります。
  合わせると同時にリールのハンドルを回してクラッチを入れ、スラッグを取って更に追い合わせを入れる
  のですが、このとき戻ったクラッチレバーが先ほどの親指に接触し、完全にクラッチが入っていない
  状態のまま合わせを入れるものですからスプールが親指で押さえきれず逆転した際「ガリガリガリ
  とスプールピンで写真→のギヤシャフトを舐めてしまいます。

  これを何度か繰り返すと、スプールピンを固定するギヤシャフトの角が丸くなり、引っ掛かりが無くなって
  しまい高速でジグを回収する時や良型の魚が掛かった時など負荷が強くなると勝手に「ガリガリガリ」と
  逆転してしまう症状が発生します。

  購入して2か月でこの症状が発生、その際は良く原因が分からないまま無償修理で対応してもらった
  のですが、その後上記原因が分かり気を付けてはいたのですが、またまたダメになりました。

  ※買って2か月で壊れた時の記事 ⇒ https://blogs.yahoo.co.jp/cd_seko/34814466.html

  よって、この摩耗したギヤシャフトも今回同時に交換です。

  う~ん、これは今後どうしたものかと考え中ですが、このジョグダイヤルの位置は置き竿でエサ釣り
  なら良いかと思いますが、ルアー釣りでは返ってじゃまです。(キャストする時も親指が触れてしまい
  勝手にモーターだけ回ってることもしばしば)

  ダイワさん、次のモデルを設計するときは考えて下さい!! って見てないか・・・
  
  ということで、今回の症状からするとここで終了となるのですが、せっかくここまで分解したので、
  ハンドルと反対側もご紹介します。

  こちらは内側から4カ所のビスを外すと簡単に開きますが、その内の2カ所はハンドル側のシャーシ
  に有るドライバ通し用の穴からドライバを突っ込んで回す必要が有ります。
  そのため、ちょっと柄の長いドライバーが必要になるということです。
  また、4カ所とも使用してるビスが違いますので外すときは憶えておいて下さい。
  
  反対側を開けるとこんな感じ、反対側を開けるのにハンドル側のカバーを外さないと開けられない
  ことも含め、なんでこんな設計にしたのでしょう・・?

イメージ 9





















  
 次は→のビス3本を外すとスプールが出てきます。

イメージ 10




















 
  反対側のスプール軸にはマグシールドが→取り付けられていて(ダイワさんはしきりにこれをうたい
  文句にしている)さすがにこちら側に塩は気になるレベルでは入っていませんでしたが、ハンドル側が
  塩入り放題なのでまったく宣伝倒れですが・・・・

  こちら側はスプールの回転数をカウントするマグネットの円盤を回すのと、レベルワインドに回転を
  伝えるのが主な目的で構造はシンプルでした。
  メンテとしてはギヤ類にグリスとレベルワインドの軸にオイルして終了です。


  ということで、細かいことを書くと、外したパーツの洗浄やらなにやらできりが有りませんので、分解の
  解説は一旦これで終了します。

  最後は組み立てとなり、分解した順に元に戻して行くのですが、組立の際の注意点をいくつか
 
  1、流星ギヤで回す大きなギヤは方向がありますので分解する時に確認しておいて下さい。
  2、内側のインナーケースを組み込む時、ギヤを回しながら入れると割と素直に入ります。
  3、ギヤ止め用のスナップピンは失敗して飛ばしちゃうと先ず見つからないと思いますので、
    ベアリング類を購入する時いっしょに頼んでおいた方が良いと思います。
  4、クラッチスプリングを元に戻すときはラジオペンチの先をスプリングの穴に入れて、てこの原理で
    スプリングを縮めて入れると入れやすい
  5、インナーケースを組むときに忘れずにクラッチレバーを挿入すること。(私は忘れてもう一度分解した)
  6、ラインストッパーも入れ忘れるので注意。
  7、ハンドル側ケースを組むときしっかり嵌合させてからビス止めしないと隙間が空くことがある。
  8、ハンドル周りにワッシャー類を沢山使ってて、どれがどれか良く分からなくなるので分解する際メモ
    しておくとベター(私は分からなくなったので元通りに戻っているか自信がない)

3、まとめ

  ということで、なんとか故障したパーツ交換して復元できたと思いますが、普通のベイトリールなら
  ハンドル周りのローラーベアリングとか、スプールの軸受けベアリングなどが傷んできますが、この
  シーボーグはそことは関係ない電動リールで有るが故の複雑になったギヤ周りに塩が入って故障
  してます。
  
  おそらくスプールのギヤシャフト穴から海水が侵入してるんだと思いますが、こんな密集してる部分に
  入った海水が入ってるのか入ってないのか分からない水洗いの真水で洗えるはずが有りません。

  まあ、言わば塩噛みして故障する時期が早いか遅いかの違いで、普通に水洗いしただけでは必ず
  故障する商品だと私は思います。いっそ水洗い用の穴でも開けた方がサッパリしてて良いのではと?

  まあ、メーカーさんにもいろんな事情が有るのでしょうが、少なくとも潮に強いような印象を与えるPR
  だけは避けてほしいものです。(私なら心が痛い)

  



【追記】
今シーボーグに巻いている糸が逆巻きしてからかれこれ半年経過、使用初めてからも、もう直ぐ1年に
なりますのでこの修理を機に巻き替えも行いました。

イメージ 11





















え~、半年前糸を逆巻きする時に購入したリサイクラーDSという機械を使っての作業ですが、これが
らくちんらくちん。

リールに残ってる糸も、空のスプールをセットしてハンドルをぐるぐる回せはあっという間に巻き取って
しまうし、新しい糸を巻く際も、今までは替え糸に鉛筆を刺して、その鉛筆を両足の指に挟んで、足の
指先で替え糸のスプールを挟む力を加減しながらテンションを掛けて巻いてたのですが、今思い出した
だけでも足が攣ります・・・( ;∀;)

こいつは巻き取られる糸の軸にもドラグでテンションが掛けられるので、電動リールの負荷表示を見な
がら調整出来るし、電動リールということも有り巻き取りに手を使わないので「PEにシュッ」を時々スプレー
しながら作業を止めることなく巻き取れます。

組み立てて、使えるようにセッティングするまでちょっと面倒くさいのですが、いざセッティングして使い
出すとあっという間に作業終了です。

年に何回使うかという観点からすると割高かな・・?という気がしないでもないですが、そもそも逆巻き
などは道具が無いとやる気も起きないので・・・ やはり必要なものかと。

釣り仲間が沢山居る人は共同で購入するっていうのも良いかも知れませんね。